猫背の原因と姿勢改善

姿勢を改善して美しく魅せる。


背中のトレーニング



▼ クリックでジャンプします ▼

≪ 目次 ≫




  神戸東灘区にあるパーソナルトレーニングジムのFujitaniです。



  今回のテーマは「美」と「姿勢改善」


  当パーソナルジムには専属の管理栄養士さんがいます。彼女とは長い付き合いで、初めて出会ったのは10年以上前になります。

  その頃の栄養士さんは姿勢が悪く、いわゆる「猫背」でした。その彼女と一緒に仕事をし始めて2年ほど経ちますが現在では姿勢改善に成功し、とても美しい背中を手に入れることが出来ました


後ろ姿



  この一緒に仕事をし始めてからの期間、私が伝え続けているのは次のアドバイス「2つ」だけです。


  • ▶ 筋トレ中の意識改善
  • ▶ 背骨と骨盤の連動


  姿勢の良い所は「変えられる」ところにあると思います。

  女優さんやモデルさんの容姿が美しい、もしくは可愛いのは皆さん周知の通りです。でも、あの方々の後ろ姿が魅力的に感じるのはなぜでしょうか?


  後ろから顔は見えないですから、私たちが感じているのはスピリチュアルな言い方をすると「オーラ」です。

  そしてそのオーラは、立ち姿勢で演出できるのです



  ここからは魅力的で美しくなりたい方に向けて、姿勢改善のエッセンスをお話していきます。




猫背を改善するために


猫背


  まず、考えたいのは猫背になりやすい人の特徴

  これは大きく「筋肉」「骨格」、そして「習慣」の3つに別けることが出来ます



≪「猫背」の人の特徴 ≫


  • 筋肉に由来するもの
      ・胸筋が硬い
      ・背中の筋肉が弱い
      ・太ももに持久力がない
      ・腹圧を高められない

  • 骨格に由来するもの
      ・身長が高い
      ・腕が比較的長い
      ・膝が伸び切らない

  • 習慣に由来するもの
      ・内また立ち/歩きをする
      ・普段から前かがみが多い
      ・内気な性格である



  ざっと挙げるだけでも数多く存在し、これらは生まれ持った身体的特徴や、毎日生活する中で培われたものです。



  また、猫背は「人類が二足歩行である」ことと大きく関係しています。

  二足歩行では、大昔、四足歩行の時に簡単だった左右、特に前後のバランスを体のどこかで取る必要が出てきます


  例えば、普通の四本足のイスは当たり前のように立ちますが、その足が二本なくなってしまうとどうでしょう?よっぽど器用な人でない限り、そう簡単には立たせられません。


イスと人類の進化



  当然のように二足歩行をしている私たちは、背中を丸めたり、膝を曲げたり、時には腕を前に垂らしてバランスを取りやすくしたりと、様々な工夫をしています。

  それらが年月とともに筋肉のバランスを狂わせ、美しくない姿勢を作り上げます。そして、最後には「猫背」になってしまうのです


  したがって、現在の全身状態を正確に把握し、スマートな方法で修正していけば、姿勢はおのずと美しくなります。



  具体的な方法は、私が栄養士さんにし続けた改善策に沿って紹介していきましょう。




筋トレ中の意識改善


意識の改善


  「筋トレ中」と言うと、すごく限定的に感じるかもしれません。


  もちろん可能なら起きている間、ずっと意識できればいいのですが、皆さんそんなに暇ではないケースが多いです。

  いっぱいに詰まったスケジュールの中、様々な問題を抱えて、ほぼギリギリ状態で生活している方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。


  ならいっそ、カラダのために時間を使っている時ぐらいは、意識改善してみてはいかがですか?と、いつも皆さんにご提案しています



ラットプルダウン

☝ ラットプルダウン:背中トレの代表選手。親指を他の四指同様に上から引っ掛ける「フックグリップ」で背部筋の動員を高める。
また、腕の引き込む動作に伴い胸を突き上げる意識を持つと、上手に背中を鍛えられる。
戻す動作では、広背筋の力が抜けないように、肘が伸び切る寸前で引き動作へ転じる。



  だまされたと思って私の提案を受け入れて下さった方は、1~2週間ほどで気付くことがあります。

  それは「背中は他のどんな場所よりも意識しにくい」ということ。まずは、意識が難しいという真実と向き合わなければなりません


  自分の背中を直接、自分自身で見たことがある人はいないと思います。特に、動いているところ(トレーニングの動作)を自分で見られないがゆえに、すごく意識がしにくいんです。


  この解決策は実のところとてもシンプルで、頭の中で自分の背中が動くことを想像しながらトレーニングを行うと改善されていきます。



  個人差はありますが、さらに2~4週間言われた通りに続けて下さった方はある日突然、背中が動くのを明らかなレベルで感じ取れるようになります



ベントオーバーローイング

☝ ベントオーバーローイング:背中全体をバランスよく鍛える猫背対策のトレーニングと言えばこれ。
グリップは親指を他の四指と逆から握る「クローズドグリップ」にし、僧帽筋の関与を減らすため逆手とする。腰をやや高めに保ち、強く屈曲した股関節を支点に背筋群を緊張させる。
真っすぐ引き上げるのではなく、ヘソ下へ引き込むのがポイント。



  私の考えでは、ここでやっとスタートライン

  トレーニングにおいて成果を上げる法則の中に「意識性の原則」がありますけれども、どんなに効果的と言われるメソッドやプログラムに何十万円も払ったって、肝心のカラダが感じ取れなければ右から左です



  でも、ここまで来れた方は、今後体験するあらゆる刺激が、効率的にあなた自身を変化させてくれるでしょう。




背骨と骨盤の連動


美しい姿



  背中に「心の目」が養えた方は、次のステップへ進みます。



  そもそも、背骨は単独で存在しているのではなく、他の身体パーツとバランスを取りながらそのアライメント(骨の並び)を決定しています

  その中でも、私が最も関連性を感じているのが「骨盤」との連動です。


  骨盤は、重心の位置を決定している非常に影響力のある骨です。骨盤の傾きや、前後・左右・上下の位置がわずかに違うと、全身へ即座に、そしてじわじわと影響を及ぼします。

  また、動作(動き)を伴うシーン、例えば「歩く」「かがむ」「起き上がる」などでは、骨盤の使い方が機能性や見栄えに直結します


  具体的に説明すると、美しく立つ姿勢・座る姿勢骨盤をやや前傾(前に傾け)させ、胸椎の生理的後弯(後弯が過度な場合が「猫背」と呼ばれる)を脊柱の伸展方向へシフトさせた姿勢を指します。




立ち姿勢の一例


立ち➀

☝【bad】 つま先に体重がかかりすぎ、ふくらはぎが疲れやすい。また、足首回りの筋肉が肥大しやすい。(太い足首の原因)


立ち②

☝【good】 理想的な立ち姿勢。ももの前とお尻が骨盤を効果的に安定させ、上に積まれている腰、肩、首の負担が最小限となる。




座り姿勢の一例


座り➀

☝【bad】 背もたれの過度な使用により背すじが丸くなる。あごが上がると首のこりを誘発しやすい。


座り②

☝【good】 理想的な座り姿勢。座っている姿勢でもお腹と背部の力が入っており、前後面の筋肉が骨盤から頭までをつり橋のように支えている。




  しかしながら、先ほど少し触れた動作(動き)を伴うシーンでは、静止姿勢を意識しすぎると、ロボットのような血の通わない動きになってしまいます写真では美しく見せられても、人生の大部分を占める動的な場面で、自分自身を台無しにしてしまうのです。


  それを解決する簡単な方法は、自由自在に「猫背姿勢」と、いわゆる「美姿勢」を切り替えられるようになることです



  このように考えた場合、結局のところ必要な身体的能力は、姿勢を操る最低限の筋力と、背骨と骨盤が人並みに動かせるだけの柔軟性のみで、ほとんどの方がすでに持ち合わせているもの。

  やはり最大の課題は「意識改善」と、正しい動きの「トレーニング(訓練)」の2点に集約されます。



ケーブルワンハンドロー

☝ ケーブル・ワンハンドロー:背中の筋肉が上手に使えない人向けのバリエーショントレーニング。
骨盤を強制的に「前傾」と呼ばれる状態に固定できるので、腕と肩甲骨の動作に集中できるおすすめ猫背矯正エクササイズ。
インクラインベンチを使う方法はこちら(☞ かっこいい肩を作る)をご参考ください。




  ここまでお伝えした内容を今日からすべて実践するのは、少しハードルが高いかもしれません。


  まずは焦ることなく、皆さんの日常生活に取り入れられそうなポイントから、チャレンジしてみて下さい



  このコラムの途中でご紹介しているトレーニング方法や注意点も含め、お読みいただいた方のお力になりますことを願っております。



スクワット&ローイング

☝ ケーブル・スクワット&ロー:背中トレーニングと立ち姿勢作りをシンプルにまとめたエクササイズ。
スクワットの姿勢から立ち上がると同時に、背部筋を収縮させて瞬時に全身の姿勢維持筋を鍛える。
「重心位置の補正」「骨盤のモビリゼーション」「横隔膜と胸郭のコントロール」「膝関節のスクリューホームムーブメント」など様々な効果が期待できる。






Akio Fujitani
パーソナルトレーナー


Akio Fujitani


≪ 保有資格・免許 ≫

  • 日本スポーツ協会[旧:日体協]公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
  • NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
  • ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(NSCA-CSCS)
  • 健康運動指導士 /元 健康運動実践指導者(~2016)
  • 鍼灸師※ /あん摩マッサージ指圧師※ /柔道整復師※

※ 国家資格



スタッフ紹介 >





 PAGETOP ∧